地域医療の未来を担う医療人へ
このたびは、西吾妻福祉病院に興味を持っていただき、誠にありがとうございます。当院は、日本三大名泉の1つ「草津温泉」から程近く、上州の美しい山懐に抱かれた立地にあり、市街地から離れた不便さはあっても、逆にそれが、地域医療の真髄を学ぶ者にとって最適な環境であると自負しています。
地域医療の魅力私は、県内の大学病院等で外科医としての経験を積んだ後、平成9年に東吾妻町の診療所に赴任し、プライマリ・ケア医の一歩を踏み出しました。地域の皆様との思い出は語り尽くせないほどありますが、一つ印象深いエピソードをご紹介しましょう。診療所時代、仕事を終えて、自宅で子どもと2人きりで過ごしていた夜、急な往診依頼が舞い込んだことがありました。幼い子を家に残すのが不安で、往診先に連れて行く了承を得て駆け付けると、ご家族が子どものためにお菓子を用意して待っていて下さいました。往診中も、ご家族がずっと子どもの相手をしてくださり、「困った時はお互い様」という温かい心遣いに触れ、私自身も地域から支えられているのだと感じたものです。医師といえども、この地域の住人の一人であり、献身的になれるのは、住人同士の強い絆があるから。地域住民と支え合い、人と人との繋がりを身近に感じられることこそ、地域医療の醍醐味です。
志を持った医療人の育成平成15年に当院に赴任後は、「目の前の患者様のために」というブレない軸を持つ多くの同志と出会いました。我々が第一に考えているのは、「患者様が幸せに暮らしていくには、どうしたらいいか」ということ。入院設備は全て混合病棟ですから、医師に限らず、全職種が幅広い科に精通し、身体の状態だけでなく、心理的・社会的問題も含めたケアの提供を目指しています。これからも、地域を支える救急医療に重点を置きつつ、住み慣れた場所で療養を望む高齢者のために、地域包括ケアシステムの構築や、在宅医療体制を強化していく方針です。管理者兼病院長として、地域医療の未来を支える環境を整えると同時に、地域医療の未来を担う人材育成にも励んでいきたいと考えています。
管理者兼病院長 三ツ木禎尚
臨床研修指導医/日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医/日本プライマリ・ケア連合学会認定医/群馬県へき地支援機構担当官
西吾妻福祉病院の基本理念
理念実践にあたっての基本方針
- ■365日24時間を通して、すべての人々に真心を持って対応します。
- ■地域の社会資源を活用し、医療・介護を提供します。
- ■日々研鑚に努め、常に質の高い医療を提供します。
- ■人を敬い、心豊かである努力をします。
- ■各人の業務が健全な経営の根源であることを自覚します。
求める人材像
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- 1
- 私たちは、患者さんや共に働く仲間の気持ちを理解し、共感することが大切であると考えます。患者さんの不安を和らげるための精神的なサポートや、共に働く仲間と協働して業務を進めるため、相手の気持ちを考えられる人材を求めています。
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- 2
- 私たちは、医療・介護従事者として、患者さんの声にならない声や、表情、仕草から、何を求めているのか気付き、行動することが大切であると考えます。患者さんそして一緒に働く仲間に対しても常にアンテナを高くし、気付ける人材を求めています。
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- 3
- 私たちは、チーム医療を提供するため、異なる職種のメディカルスタッフが連携・協働し、それぞれの専門スキルを発揮しています。自分の考えをしっかりと伝え、相手の話にもきちんと耳を傾け、チームワークを大切にする人材を求めています。
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- 4
- 医療・介護サービスは日々進化しています。自らの技術を高めていく事が、地域の方々に最良の医療・介護サービスを提供し続けていけると考えています。プロフェッショナルとしての成長を目指し、自らの技術を高められる人材を求めています。
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- 5
- 私たちは、役割を持って仕事を行っています。
与えられた役割に対して最後まで責任を持って取り組める人材を求めています。